屋外喫煙所を
急いで整備すべきだ

 こういう状況のなかで、筆者が心配するのはやはり愛煙家のみなさんだ。現在、ロシアが50%程度の高い喫煙率であることからもわかるように、旧ソ連から続く、飲食店から煙を追い出す流れのなかで、愛煙家の暴動や反対運動が起きなかったのは、「外」で吸えたことが大きい。

 しかし、いまの日本では「外」で吸うのも厳しい。「狭い環境」へと追いやられた人々は、冒頭の抗議デモではないが、これまで以上に過激なアクションに出る恐れもある。実際、それをうかがわせるような現象が起きている。

「反対する業界のみなさんが、議員に対して、神奈川では受動喫煙防止条例をつくってから飲食店の売上が6ヵ月落ち込んだというデータを出していますが、非常にミスリーディングだと思います。当時はリーマンショックで全国的に飲食業界が落ち込んでいて、むしろ神奈川県は比較的落ち込みが少なかった。そういう事実は一切伏せて、都合のいいところだけ取り上げれば、知識のない議員はあっさりと騙されてしまう。このような問題のあるデータをふれまわるのは、逆に反対派のみなさんの主張の信用性を下げてしまっているのではないでしょうか」(岡本都議)

 働き方改革法案で捏造データをしれっと出した厚労省や、何十年も不正を続けていた神戸製鋼を見てもわかるように、「狭い環境」のなかで追いつめられている人々というのはモラルが崩壊して、自分たちを守るためには多少のインチキをしてもいいと感覚が麻痺してしまう。

「吸う人も吸わない人も共生できる社会」を本気でつくりたいのなら、「店内の分煙ゾーン」に閉じ込めるなど、愛煙家の方たちをこれ以上、「狭い環境」に追いやるべきではない。

 追いつめられた人々はさらに頑なになり、さらに狭いところへ突き進む。喫煙者が年々減るなかで、中小規模の飲食店がそのような「狭いマーケット」をターゲットにすれば、どのような悲しい結末を迎えるかは容易に想像できるはずだ。

 愛煙家の方には非常に酷な話だが、「飲食店全面禁煙」という世界的な流れを食い止めることは難しい。それは、たばこメーカーや、たばこ族議員もよくわかっているはずだ。愛煙家のみなさんのためにも、公園、路上、駅前、飲食街などに喫煙所を整備するなど、「店の外」に視野を広げる施策が求められるのではないのか。