ちなみに、素材についても何も規定はなく、強いて言えば後述のガイドラインにおいてラミネート加工が推奨されている程度なので、偽造が頻発することは想像に難くない。

 本法施行を前に、昨年12月に策定された同法ガイドラインでは、標識を都道府県等が発行することは可能とされている。

 発行に当たっては首長の名称を記載して発行することとされているが、発行を行うといっても発行する権限は本法には記載されていないので、条例で独自に権限を設けなければならない。

 一方、仮に権限を設けたとしても、同法が発行主体を特定せず、また標識に公文書としての性格を付与しているとも考えられないので、標識に都道府県等の長の名称を記載することができたとしても、長の公印を押して発行することは難しいだろう。

 もっとも、法が明示的に禁止していないのだし、「自治事務なのだからいいのだ」と独自に条例を制定する都道府県等があれば、それはそれで面白いし、今後他の都道府県等の範となるだろう。

 そうなると、長の名称を勝手に記載した偽造の標識を作成し、掲示することも可能となってしまう。この点は同法の欠陥と言ってもいいだろう。実際、標識問題は都道府県等の悩みの種だったようで、「国に一括して発行してほしい」といった要望も寄せられていたようだ。

 これは違法民泊対策、住民の不安や反発への対応という意味でも、先に挙げた条例問題と密接に絡んでいると思われる。国は「自治事務ですから」と突き放すのではなく、早急な法令改正は難しいとしても、なんらかの明確な方針を示す必要があるのではないだろうか。

併せて改正旅館業法も施行
立ち入り調査等の取り締まりを強化

 住宅事業法と併せて、改正された旅館業法も6月15日に施行される。改正の内容は、旅館営業とホテル営業がこれまで別々だったのを一本化。旅館、ホテルそれぞれに詳細に設けられていた設備、構造基準を一本化するだけでなく大幅に緩和するもので、民泊とのイコールフッティングを確保するという趣旨もあるようだ。