一流芸人さえ客のことを忘れ
タモリとのトークに夢中になる理由
ある時、タモリさんと関根さんは、「アイドルの低年齢化」について話していました。以前はアイドルと言えば18歳ぐらいだったのが、最近は小学生のうちからアイドルとしてデビューするケースもあります。そこで、二人はかなり掘り下げ、お客さんが聞いているのを忘れる勢いで、ファンが顕微鏡で見る必要がある精子アイドルや卵子アイドルも現れるのではないかという極端な話にまで発展させたそうです。
こういう『YES, AND 自分の意見』をお互いに言い続けるような状態になると、どんな人でも気持ちよくどんどん話をしてしまいます。その気持ちよさときたら、トークのプロの一流芸人でさえ、お客さんの存在を忘れそうになるほどです。
それもそのはずで、実は、心理学的にも人間は自発的にアイデアを出して、それが必要とされたり肯定されたりすると、とても楽しい気分になることが判明しています。
ですから、即興での会話を盛り上げる最大のポイントは、会話の参加者が誰も怖がらずに自分のアイデアを出せる空気にする事です。その空気を作り出すためにも、相手のアイデアを否定的にとらえることはせず、必ず肯定から入るべきなのです。