リクルート事件はどうして乗り越えられたのか

朝倉:福田さんは、リクルート事件の激震も経験されていますが、会社としてあの事件を乗り越えられたのはどういった要因が大きいとお考えですか?

福田:僕は、リクルート事件の3年後の1991年に取締役になっています。
振り返って思うのは、リクルート事件の後でも事業自体はお客さまから信頼して頂けたことの有難さですね。広告ベースの事業モデルが多い中でもクライアントからの出稿は減らず、色々な情報誌の読者の方たちも引き続き活用してくださいました。
そうした、事業の価値、事業の強さがすごく大きかったんだと思います。

朝倉:信頼されていたということは、実際にクライアント、読者の方の役に立っていたということですよね。

福田:そうですね。その力が大きいです。事業というのは、お客さまが価値を認め、評価していただけるというのが、大きなポイントですよね。いくら売り上げが上がったとしても、またどれだけ営業が強くても、サービスを受けた人から評価されないと限界があります。

リクルートがスタートアップ精神を維持できる理由 【福田峰夫さんに聞く Vol.2】