看板に偽りあり──。そんな非常事態が仮想通貨業界で起きている。
6月22日、マネーロンダリング(資金洗浄)対策が不十分などの理由で、金融庁は仮想通貨交換業者6社に対して業務改善命令を発令した。問題なのは、いずれも金融庁の審査を通過した“認定済み”業者であったことだ。
今回の処分は、金融庁に対して事実と異なる管理態勢を報告していた、業界最大手のビットフライヤーにも下された。他にも、反社会勢力だと気付いていたにもかかわらず、しばらく取引を停止しなかったあきれた業者もいたという。
昨年来、仮想通貨市場は予想外の広がりを見せてきた。そこに冷や水を浴びせたのが、今年1月、580億円もの仮想通貨を不正流出させたコインチェックだ。
金融庁の認可を受けていない「みなし業者」であり、セキュリティー面に不備を抱えながらも業容拡大に走ったことが、不正流出の要因だった。
さらに今回、登録業者ですらも多数の不備が発覚。目先の利益に目がくらみ、脇を固めることができていなかったという甘さが再び浮き彫りとなったのだ。