ASUSのSIMフリースマホ、2018年モデルは「ZenFone 5」シリーズ。ASUSがスマホ市場に参入したとき、最初にリリースしたのもZenFone 5だったが、原点回帰ということで再び5がナンバリングされた。

 さて、今回レビューするZenFone 5(ZE620KL)はスタンダードモデルにあたる。ラインナップを見てみると、セルフィーを重視した「ZenFone 5Q」、フラッグシップの「ZenFone 5Z」もあり、またZenFone 5とZenFone 5Zはスペック以外は外観などほぼ共通した仕様になっている。

ZenFone5
ASUS「ZenFone 5」

 ZenFone 5は6.2型(1080×2246ドット)で、18.5:9の縦長パネルを採用する。筐体は金属ベースになっており、ZenFone 5Zのものをそのまま流用したことで高級感が増しているほか、背面はフルフラット+強化ガラス仕様と2017年からのスマホの流行を押さえたもの。また、正面上部にはノッチがあり、意識している端末がiPhone Xであるのは明確だが、ノッチを隠す設定があるので、苦手な人も安心だ。

ZenFone5
ZenFone5
設定>ディスプレイにある「ノッチを隠す」で、ノッチを目立ちにくくできるほか、スクリーンショットもステータス表示部分の背景色が変化する

 実際に持ってみると、側面はきれいな丸みを帯びているがやや滑りにくくなっており、持ちやすい。ただこれも好みはある。付属のソフトジャケットで気にならなくできるので、実際に触れてみて決めるといいだろう。

 背面にある指紋センサーは、ほどよく人さし指で触れやすい場所にあり、またアウトカメラが近くにないので、うっかりレンズに触れてしまって指紋ベッタリとはならないレイアウトだ。

ZenFone5
背面の指紋センサーは、ほどよい位置にある

 設定をみると独自機能はZenFone 4から大きく変わっていない。大半は「拡張機能」に用意されている。オススメはツインアプリとOptiFlex。ツインアプリは、FacebookやInstagram、LINE Playゲームなどで2アカウントを使用できるというもの。使い分けが必要なお仕事である場合に重宝するほか、新社会人であれば対会社用アカウントの生成にも役立つだろう。

 OptiFlexは最大10個のアプリの起動を速くできるもの。起動までの時間が気になるアプリがあるのであれば登録しておくといい。また、ゲーム向けの機能として用意されているGame Genieは録画や配信などを可能にするもの。ゲームアプリ向けとあるのだが、登録できるアプリに制限はないため、ブラウザーやSNSアプリでも使用できる。

ZenFone5
人によっては重要になるツインアプリ
ZenFone5
指紋センサーを使用したジェスチャーは、通知の表示だけ
ZenFone5
ZenMotionは設定が豊富。文字を書いてアプリを起動させる設定は、相変わらず便利だ
ZenFone5
拡張機能一覧。必要であればオンにしてねといったスタンスなので、まずは試してから、どれを使用するか決めていこう

 細かな部分を見ていくと、パフォーマンス設定が新設されている。ステータスパネルからアクセスできるAIブーストは、CPU動作クロックを上昇させるもの。AIベースで処理傾向を管理している様子はなく、単純にクロックアップしているだけだが、動画編集アプリを使用したり、あれこれとアプリを並行使用するときに活用できるだろう。

 バッテリー管理については、バッテリーモードに「パフォーマンス」という項目があるのだが、AIブーストと同じではない。CPU動作クロックで並べると、AIブースト、バッテリーモード:パフォーマンスといった関係性だ。上記のように積極的にAIブーストを使用するシーンは少ないと思われるので、先にバッテリーモードを理解したほうがいい。

ZenFone5
AIブーストはステータスパネルからのみアクセス可能で細かい設定はない。デフォルトだとオフ
ZenFone5
バッテリーモード。SNSアプリやブラウザーなどの場合、パフォーマンスとスマートで体感差がほとんど感じられなかった

新機能「AI Photo Learning」は
回数を重ねると楽しい

 新しい機能で注目はAI Photo Learningがある。ギャラリー内の「アシスタント」から実行できるもので、ギャラリーの編集機能を使用すると、処理後の画像と処理前の画像が表示され、気に入ったほうの処理を選ぶと、それを記憶していく。これを繰り返し学習させていくと、写真に応じて自動的に処理を実行してくれるようになる。数回ではとくに変化はなかったが、10回以降はたまに反応するようになり、なかなか面白い機能だ。カメラでの撮影時点で実行してくれるといいのだが、それは今後に期待したい。

ZenFone5
純正の写真編集機能は充実しているので、しばらく使い込んで覚え込ませてみよう

 ZenFone 5のディスプレーはDCI-P3対応となっている。iOSデバイスではおなじみだが、Androidではまだ少ない。ただ対応しているだけなく、環境光に合わせた自動色調調整機能まであり、しかも精度が高く、iPad ProのTure Toneに近く、ストイックに合わせてくれる。

 スマホで撮影したデータは共有することが前提的なので、色が分かりやすいのはうれしい部分といえる。なお、デフォルトはDCI-P3で、標準を選ぶとsRGBになる。世の中の大半は、いまのところsRGBなので、シェア前提であれば最初に設定を変更してもいい。

ZenFone5
ディスプレーの項目の最下段に「画面カラーモード」がある
ZenFone5
「自動調整を有効にする」で、環境光に合わせて色温度などを調整してくれる
ZenFone5
「広い色域」がDCI−P3、「標準」がsRGB

 ZenFone 5のスペックはSoCがSnapdragon 636、メモリー6GB、内蔵ストレージが64GB、バッテリー容量3300mAhなど。ミドルクラスとしては充実したものといえる。また、DSDVである点もポイントだ。これにより、4G+4G同時待受が可能になるだけでなく、auをバックボーンとするMVNOも選択肢に含めることができる。

 ベンチマークを見ると、過不足ないスコアとなっている。3D中心のゲームにはさすがに弱いが、CPU性能は上々であり、あまり困ることはなさそうだ。画面録画や配信のできるGame Genieを使用する場合、ブラウザーなどの操作の録画であればなんら問題ないが、3D中心のゲームの場合はアプリ側の設定によっては応答が遅くなることもあったので、事前にテストしておきたい。このあたりを考えているのであれば、ハイエンドモデルの「ZenFone 5Z」をチェックしておこう。

 また、メモリーが6GBと多いのも特徴で、SNSをモリモリとしつつウェブブラウズ、といった場合も応答性が気になることはない。AIブーストはAnTuTu Benchmarkでの効果が明瞭だが、よく体感できるシーンはそれほどないため、バッテリーライフを考えると限定的な扱いでよさそうだ。なお、下記ベンチマークはAIブーストをオフにした状態のもの。

ZenFone5
3DMark
ZenFone5
PCmark for Android Work 2.0
ZenFone5
PCmark for Android Compute
ZenFone5
18
Geek Bench 4.2.0
19
AnTuTu Benchmark

 ほどよく、PUBG Mobileが配信されたので実際に遊んでみた。起動直後の判定は「バランス画質」。グラフィック設定を高くしてもプレーはできたが、シーンによってはフレームレートの落ち込みがよく発生したため、快適にプレーしたいのなら、アプリ側のオススメに従っておくといい。

 また画面が16:9よりも広いため、指で隠れる部分が気になりにくいのも良かった。なお、プレー時にはヘッドフォンを推奨する。これは音楽を再生してみるとわかるが、受話口側のスピーカーと底部のスピーカーの音量バランスが悪いからだ。

ZenFone5
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 価格からすると、フラッグシップモデルのZenFone 5Zと共通した部材を採用しているため、高級感が十二分にある。またスペックについても普段使いの範囲で十分であり、メモリーは6GBなので、起動しっぱなしにしたり、Twitterのように徐々にメモリー消費量が増えていくようなアプリを常用するシーンに強い。なるべく端末購入費を抑えていきたいのであれば、ZenFone 5をチェックするといいだろう。


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