美味しい肉の焼き方にこだわりまくった渾身の書『焼肉の達人』の著者が贈る、美味しい焼肉の焼き方の提案、そして今焼肉業界で話題のHOT情報を、焼肉をこよなく愛する著者小関尚紀氏が届けるこの連載。第6回目は、『焼肉の達人』がこっそり伝授する「モテる焼き方の技術」についてです。焼肉は、調理過程、仕上げをお客自らが行うグルメです。プロが肉焼きをしてくれるケースが少ないからこそ、トングの使い方、網の使い方1つで、プロっぽく見せたりすることが出来ます。簡単で実用的ですので、是非、使いこなしてください。(撮影・榊智朗)

カンタンだけど、プロっぽい!!モテる焼き方の技術トングクロール
肉と網の設置面にトングを這わせる

焼きのプロっぽく見せる2つの超絶技巧

 焼き網の肉のくっつき防止策は、TONG CRAWL(トングクロール)レモンのベタ塗りです。焼き網に肉をのせ、2秒以内にトングの片面を肉と網の接地面に這わせるTONG CRAWL。2つ目が、レモンのベタ塗りです。

1.トングクロールとレモンのベタ塗り

 肉は焼いてみると思いの外、焼き網、鉄板にくっつきますよね、特に網焼きの場合。理由は、熱を加えると肉に含まれる蛋白質がくっつきやすい性質だからです。特に薄い肉の時に、焼き網、鉄板が温まる前に肉をのせると、要注意です。
 焼いている時に裏返す際、場合によっては肉が破れたりすることもあります。こんな時に知っておきたいとっておきの解消技が2つあります。

 1つ目はTONG CRAWL(トングクロール)肉と網の接地面にトングを這わせます。

 まず十分に網を温めてから、脂を敷いて肉をのせてます。肉をのせてから、2秒以内にトングの片面を、肉と網の接地面に端から端まで、這わせます。肉がくっつきそうな面にあらかじめトングを這わせるのでTONG CRAWLと名付けました。この技がしっかりできると、肉くっつき防止に実用的ですし、プロっぽく見えます。
 これ見よがしに、2回這わせてもいいでしょう。
 七輪の網焼きでやる際、効果的です。

カンタンだけど、プロっぽい!!モテる焼き方の技術レモンのベタ塗り
肉を焼く前にレモンをベタ塗り。クエン酸効果でくっつかない!

 2つ目は、レモンのベタ塗りです。タン塩をオーダーするとつけダレの代わりに登場するレモンを肉に絞らずに焼き網や鉄板に塗り付けるだけでOKの簡単技です。これだけで、焼いている肉が引っ付かなくなります。レモンに含まれるクエン酸は、熱を加えても蛋白質の凝固予防になるので、熱する前の状態で、レモンをベタ塗りしましょう。予防効果抜群です。
 レモンを絞らずに、いきなり網に塗りだすと、周囲は何事かと驚くと思いますが、「肉が網にくっつかないための予防なんですよ」と言ってあげると良いでしょう。焼き魚で焼き網にレモンを塗る時の焼肉応用版です。特に接待焼肉やデート焼肉の際、覚えておくと良い超絶技巧です。レモンを塗った焼き網で肉を焼いても熱しているため、酸味は気になりません。