2.秘技・網回し、網ズラし
ここも炭火での技です。やはり、ガス火と違って炭火は温度調節が困難なので、駆使する技も多いのです。イザという時の為に網に関する便利技をご紹介します。炭火は、七輪に炭を置く位置で、温度にバラつきが出ます。そんな時は秘技・網回しと網ズラしが有効です。
網回しは箸かトングを網の中に突っ込み、円に沿って回転させ、温度調節する技です。七輪での炭火はどうしても火加減が安定せず、強火、弱火を探して肉を焼くことになります。そこで、火の位置をしり、焼けすぎの肉→弱火へ、焼けていない肉→ 強火へ移動させるためのテクニック。
非常に簡単な技ですけど、あまり知られていない網回しという技です。周囲からは、高評価が得られるでしょう。
網ズラしについてです。通常、円形の七輪の縁と網をズラすことなく、配置しますが、あえて円形の七輪の外に網をズラし、超弱火スペースを作る技です。
例えば、塊肉を焼き、余熱で肉の内部に火を通す段階になった時、高等テクニックとして、肉を休ませます。その際にこのズラしたスペースが使えます。また、ホルモンで脂が落ち、炎が上がった経験があると思いますが、その際の避難場所としても活用できます。
網ズラしなど、スペースを有効活用できると周囲からは、「おおー、お主、知っているじゃないか」となるわけです。
網を自在に操り、自分好みの温度にする網ズラし
いかがでしたでしょうか。 どれもこれも全く難しい技ではありません。知っておくだけで、スマートに肉の引っ付きを回避し、温度調節できるという優れ技です。焼肉でデートでは、スマートな対応がモテる要因ですので、是非、トライしてみてください。
1970年、大阪府生まれ。サラリーマン作家
趣味、焼肉。都内140店舗の焼肉店を訪問するなど独自研究、分析がこうじて、東洋経済オンラインで焼肉記事を連載。たちまち人気連載となった。
焼肉は、メインの肉を焼き仕上げることを客に委ねられるケースが多い、減点法のグルメ。きっちり焼き上げないとせっかくの美味しい肉がもったいないことになってしまうのだが、今まで上手く焼くための指南書が存在しなかった。美味しい焼き方の技術を読者にシェアしたいというのが、本書を書く動機となった。
筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士課程後期中退。早稲田大学大学院(ビジネススクール)国際経営学専攻修了[経営学修士]。現在、都内企業に勤務しながら作家として活動。著書に、『「即判断」する人はなぜ成功するのか?』(サンマーク出版)、『世界一わかりやすいゲーム理論の教科書』(KADOKAWA)などがある。