民主党政権では、労働力人口も就業者数も減少している。しかも、労働力人口の減少のほうが就業者数の減少より大きく、それで失業率が低下していた。

 これは、景気拡大の兆候が見えないことから、就業者数が減るだけではなく、働きたくてもどうせ働けないと見切りをつけて、労働力人口が非労働力化したわけだ。

 一方、安倍政権では、就業者数が劇的に反転し増加した。これは、景気拡大方向になったので企業が雇用を増やしてきたからで、その結果、それまで非労働力化していた人が労働力に転じた。

 それでも就業者数の増加のスピードの方が早いために、結果として失業率が下がったのだ。

雇用改善は安倍政権の
マクロ政策が正しいから

 両政権を比べると、明らかに安倍政権のほうが、マクロ経済政策として正しい方向であることが歴然としている。こうした点を挙げて、当時、筆者は、民主党関係者に対して再反論していた。

 その後、失業率が下がったということでは、両政権ともに遜色ないという意見は出なくなった。その代わりに出てきたのが、安倍政権で失業率が低下しているのは人口減少によるものだという意見だ。

 しかしこれは、ちょっと反論するのもはばかるほど根拠のない意見だ。

 さきほどの図に、15才以上人口の推移を示すグラフを加えてみよう。

 人口減少は微減であり、労働力人口と就業者数がともに増える中で失業率が低下してきたメカニズムを否定できないのは明らかだろう。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)