「これだけは言う」という
キーワードを事前に用意しておく

 緊張でどうしようもなくなって何も言えなくなっている時は、脳が限界を超えた状態です。そんな状態にもかかわらず、脳内でストーリーを再構築して話し直すのは無理な話です。ということで、あらかじめできる準備をしておくことが大事になります。

 私のおすすめは「絶対に言わなくてはならないことだけを抜き出して手元に書いておく」という方法です。これは文章ではなく、箇条書きで単語や数字、言い切りの形でメモをしておきましょう。「メモ書き」が鉄則です。これは、いわゆる“非常ボタン”のようなものです。非常ボタンは操作が複雑では意味がありません。直感的にすぐ押せるものでなくてはならないのです。

 頭の中で細かくストーリーを再構築しなくても、そのまま口に出せば通じるような言葉を用意しておけば、自分を安心させる効果もあります。「営業利益が昨年比20%アップ」とメモをしておけば、「とにかく今日お伝えしたいのは、昨年に比べて営業利益20%アップということです!」というセリフくらいは出てくるでしょう。

「実験は失敗、でも新発見があった」と書いておけば、「失敗はしましたが、それよりも新しい発見があったことをお伝えしたいと思います」くらいは言えそうです。

 もし、あまりにも緊張してどうしようもなくなったら、これだけ言っておしまいにしてしまってもいい、と腹を決めてしまいましょう。プレゼンは長くなるよりも早く終わらせてしまったほうが印象ははるかに良いものになります。

 手元にとにかく非常ボタンのようなメモを置いておくというテクニック、ぜひ使ってみてください。

聴衆は決して敵ではない
視線を合わせるのが効果的

 プレゼンが苦手という方が緊張する理由として挙げるのが「聴衆の視線が怖い」というものがあります。「聴いている人たちに伝わっているのかな?」「つまらないと思われていないかな?」「いまの言い方は失礼だったりしないかな?」と思って、だんだん聴衆の目を見るのが怖くなってしまう、という負のスパイラルに陥っているのではないかと思います。