構想・執筆に2年。『エフエムふくやま』でも、「ページをめくる手が止まらなかった」と紹介され、映像化したいというオファーが舞い込んできた話題のAI・仮想通貨のエンターテイメント小説『マルチナ、永遠のAI。』。
作者は、IT書籍の総売上が150万部を超え、小説でも『エブリ リトル シング』が17万部のベストセラーとなった大村あつし氏。今回は東京オリンピック後をにらんだ興味深いトピックをお届けする。
(構成・寺田庸二)
チケット発売・即完売は
本当に正しい姿なのか?
みなさんの中には、2020年の東京オリンピックを生で観戦したいと思っている人も少なからずいらっしゃるでしょう。
実は、私もその一人です。
私ごとで恐縮ですが、私は日々、テニスブログを更新し、一日当たり3000~5000PVという人気ブログになっているのですが、東京オリンピックは、通常の大会では来日しないようなテニス界のスーパースターを生で観る絶好のチャンスです。
年齢的には微妙ですがロジャー・フェデラーや、ラファエル・ナダル、ノバク・ジョコビッチ、そしてマリア・シャラポワ、セレナ・ウィリアムズなどなど。
しかし、上述のとおり、私は生で観戦したいと「思っている」状況で、生観戦することが決定しているわけではありません。
なぜなら、チケットを購入できるのか、皆目見当がつかないからです。
私は、スポーツ観戦ではあまり経験がありませんが、アーティストのライブでは、これまでに何度も「生で観たいのに観られない」という苦い経験をしてきました。
昔であれば購入予約は電話でしたが、とにかく電話が繋がらない。
現在はインターネットですが、とにかくサーバに繋がらない。
そうこうしている間に、「全席完売!」の無情なアナウンス。
ちなみに、抽選方式もありますが、くじ運が悪い私は抽選に当たったためしがありません。
このように、チケットを発売して即完売するというのは、アーティストの人気のバロメーターでもありますし、実際にアーティストにとっては名誉なことでしょう。
しかし、こうした販売方法は、興行収入的に言い換えれば、ビジネス的に本当に成功と言えるのでしょうか。
実は、こうした議論は昔からあり、テクノロジーで先端をいくアメリカでは、すでにある手法が採り入れられています。
それが、「ダイナミックプライシング」です。