ただ、議員定数の増減という小手先の議論に走る前に、まずはその存在意義を国民に証明すべく、そもそも議論することは山ほどある。例えば、参議院を憲法改正の議論の主戦場とするならば、いっそ参議院の議員数をぐっと減らした上で、法律の専門家のみで構成される「憲法審査院」としてはどうか。すべての法案を「憲法」という観点からチェックし、憲法そのものについても議論することを使命とするならば、一定の存在意義が生じる。

 今の参議院は、ただの茶番劇を演じているだけの存在ではないか。

すべては議員の身分を守るため
露骨すぎる選挙制度

 次に、参議院の複雑な選挙制度が、いかに議員の身分を守るためだけに機能しているか、という点について解説したい。

 まず、従来の参議院議員の定数は242人だったが、3年ごとに半分の121人ずつが改選される仕組みだった。その121人のうち、73人が都道府県を基準とした「選挙区」から選ばれ、48人が日本全国の有権者を対象とした「全国比例」から選ばれている。

 まず、「選挙区」で選ばれる議員については、衆議院のように選挙区から1人だけを選ぶ「小選挙区制度」だけではなく、人口に応じて複数の当選者が出る「中選挙区制度」も同時に併用されている。

 6人が改選する選挙区(1区):東京都
 5人が改選する選挙区(0区):なし
 4人が改選する選挙区(3区):神奈川県、大阪府、愛知県、埼玉県*
 3人が改選する選挙区(5区):兵庫県、福岡県、千葉県、北海道
 2人が改選する選挙区(4区):京都府、茨城県、静岡県、広島県
 1人が改選する選挙区(32区):鳥取県・島根県選挙区、徳島県・高知県選挙区、その他30の県

 ※2019年7月以降

「中選挙区」を採用している都市部においては、衆議院の「小選挙区」を意識して政党数が減り、それぞれの政党が候補者の数を絞ってしまうため、多くの選挙区では、政党から公認が出た段階でほぼ勝負が決まってしまう。