この事実からわかるのは、野村弁護士の処分の原因となったアンケートに対する評価は、弁護士会と裁判所とではかなり異なるということです。それに加え、弁護士会の中枢にはいわゆる人権擁護派の弁護士が多いことを考えると、どちらの評価が本当に正しいかは慎重に考える必要があるはずです。

 とすれば、中立性が求められるマスメディアの報道では、アンケートの内容に関して両者の主張を紹介すべきです。

 それにもかかわらず、アンケートの内容に関しては主に弁護士会の言い分を紹介し、野村弁護士の側については不服申し立てというアクションのみを紹介するというのは、明らかにアンフェアです。

 なぜほとんどのマスメディアが、そのような報道をするのでしょうか。単純に情報収集不足なのか、悪意を持ってあえてそのように報道しているのかはわかりません。ただ、結果としてマスメディアの報道が勝手に問題の構図を決めてしまっているのは事実です。

 野村弁護士に関するニュースは、いかに今の報道が一面的な構図しか提供できなくなっているかを、如実に示しているのではないでしょうか。

小池都知事に対する
冷淡なまでのメディアの無視

 もう1つは、小池都知事に関する報道の少なさです。

 小池氏は7月末で都知事に就任して2年となり、知事任期4年の半分を過ぎたことになります。日本の首都である東京都の知事であり、特に就任から希望の党で失敗するまであれだけメディアを席巻していた小池氏が、知事任期の折り返し地点を迎えたのですから、そろそろ各メディアが小池都知事の2年の評価をすべきなのに、少なくとも現時点ではそうした報道はあまり見られません。

 これも、旬を過ぎてしまった人や案件については、それが日本の将来にどれだけ重要であっても報道の量が途端に激減するという、マスメディアの悪いクセの典型ではないかと思います。小池都知事の2年をしっかりと評価しておくことは、東京と日本の将来のために非常に重要であることを考えると、これもいかがなものでしょうか。