昇進試験の直前対策!
本記事では、発売たちまち3刷が決まった、元NHKアナウンサーの超人気講師で「ウェブ小論文塾」代表・今道琢也氏の新刊『落とされない小論文』から、内容の一部を特別掲載する。(構成:今野良介 初出:2018年7月21日)

昨今、多くの企業や官公庁の昇進試験で「小論文試験」が取り入れられています。

私が何百という答案の指導をしていて気づくのは、ミスをしているポイントが、業種や年齢層に関わらず共通していることです。

本記事では、代表的な3つのミスについて解説します。

(1)問題文の意味を理解していない

これがもっとも多いミスです。
問題で聞かれていることを正確に把握しきれないまま書いて、失敗しているのです。

たとえば、次のような事例を見てみましょう。

【昇進試験の問題例1】
今後5年間の経営計画の目標達成のために、マネージャーとして今後どのように取り組んでいくべきか、あなたが所属する部署の課題点を示したうえで、今後の具体的な行動、取り組みを述べなさい。その際、どのようなスケジュールで実行するかも記すこと。

こういう問題があった場合に、「マネージャーとして」の視点が抜け落ちて、一社員としての視点から書いてしまったり、「所属する部署の課題点を示したうえで」と指示されているのに、そこを飛ばして今後の取り組みばかりに字数を割いたり、「どのようなスケジュールで実行するかも記す」と指示されているのに、そこを明示しなかったりと、さまざまな抜けや漏れが生じている答案がとても多いのです。

当然のことと思うかもしれませんが、合格水準を目指すならば、まず、「何を聞かれているのか」をきっちりと整理することです。

この問題で聞かれていることを整理してみましょう。

【聞かれていることの全体像】
・5年間の経営計画の目標達成のために、マネージャーとして今後取り組むこと。
※ただし、条件として次のことを入れる
★まず、所属する部署の課題点を示す
★具体的な取り組みについては、スケジュールも示す

このように、聞かれていることを確実に押さえてから、答案を書き始めてください。

昇進試験で「こいつはダメかも」と思われる人の小論文3大ミス【書籍オンライン編集部セレクション】昇進試験の小論文に必要な条件とは?

さて、次のミスは、「昇進試験」という試験の性格から考えても、致命的になりかねないものです。