「モノが売れない時代になった」と言われて久しい。しかし、それでも常に行列の絶えないお店があり、成長し続ける会社があり、結果を出し続けるビジネスパーソンがいる。商品の「値段」や「質」がほとんど変わらなくても、売れる人と売れない人、繁盛しているお店とそうでないお店がある。

これは、なぜなのか?

本連載では、プルデンシャル生命2000人中1位の成績をおさめ「伝説のトップ営業」と呼ばれる川田修氏が、あらゆる仕事に通ずる「リピート」と「紹介」を生む法則を解き明かした話題の新刊『だから、また行きたくなる。』から、内容の一部を特別掲載する。(構成:今野良介)

「外資系営業」のイメージは?

私のような営業職は、きちんとした服装をしていることや、お客さまとのアポイントに遅刻しないことは、あたりまえです。

一方、「外資系の営業」には、海外ブランド風のスーツや、派手な色物のシャツ、派手なネクタイ、というイメージがあるようです。

でも、保険の営業というのは、人の生命に関わる仕事です。ですから、「安心」を感じていただくことが、まずは何よりも大切だと私は思っています。

だったら自分は、あえて、一般的なイメージとは違う落ち着いた服装にしよう、と考えました。
スーツは紺、シャツは白しか着ないと決めました。
時計は黒革のベルトに銀ブチ、白フェイスのものだけにしました。
黒の革靴だけを履き、いつもピカピカに磨いておくようにしています。

結果を出す人は「自分がどう見られているか?」を知っている。靴は、お客さまに最も観られています

人の頭の中には「普通の基準」がある

私の頭の中には、常に「レベル10」と「レベル11」という考え方があります。
レベル10とは、その職業における一般的な水準。
つまり、お客さまが「普通だな」と感じるサービスレベルのことです。

重要なことは、この「普通だな」という感覚が、大多数の人の頭の中に共通認識としてあるということです。

そして、お客さまの頭の中にあるレベル10を、ほんの少しだけ上回ること。それがレベル11です。頭の中に「普通はこういうもの」というレベル10の感覚があるために、ほんの少しの違いでも、お客さまは敏感に感じ取るのです。

私は、すべての職業に、このレベル10とレベル11があると思っています。

私たちは、常に「サービスを提供する側」と「サービスを提供される側」という2つの顔をもっています。「提供される側」にいるときは、生活の中で、日常的にレベル11を感じ、心を動かされる経験をしています。でも、「提供する側」の立場になると、それを忘れてしまいがちになるのです。

拙著『だから、また行きたくなる。』では、小さなお店から大企業まで、「レベル11」を実践して、お客さまが次から次へと集まっているサービスを、50以上紹介しています。

ここでは、もう1つ、私がやっていることをご紹介させていただきます。

アポイントに「2分」遅れそうな時
あなたはどうしますか?

アポイントには遅刻しないのが理想ですが、電車が遅れたりして、2、3分遅れてしまうとき、「2、3分ならまあいいか」とすませてしまう人もいるようです。