まさかの誤診疑惑が発覚
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緊急搬送された病院で
まさかの誤診疑惑発覚

「お父さん、どうしたの!」

 彩絵さん(仮名・50歳)は叫んだ。

 85歳になる父親の様子がおかしい。手足をバタバタと不規則に動かし、表情はゆがんだまま固まっている。まるで昔見た、オカルト映画を思い出した。何者かに身体を乗っ取られているかのような奇妙な動きに、すっかり気が動転してしまった。

 救急車を呼び、脳神経外科がある近所の公立病院に緊急搬送。MRI検査をしたのち、当直の医師は言った。

「硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう)ですね。脳の血管の形の異常によるもので、10万人に1人の珍しい病気です。正常な血管は、太い動脈から細い動脈へ、さらに細い毛細血管を経て静脈へとつながっていくのですが、硬膜動静脈瘻では動脈と静脈が直接つながっています。そのため、圧の高い動脈の血液が、本来は圧の低い静脈に流れ込み、静脈洞と呼ばれる太い静脈に高い圧をかけて、いろいろな障害を引き起こします。けいれん発作もその1つです」

 よく分からないが、血管の形に異常があったらしい。

 (ん、血管に異常?)

 はっとした。

 実は父親は、4年前からアルツハイマー型認知症を発症し、都内の有名私立大学病院に通っていた。「アルツハイマー型認知症」との診断名を告げられた際の医師との会話を思い出したのだ。