新しいカルチャーに息を吹き込む10の習慣

「カルチャーを変えるのは、一朝一夕にはできません。マイクロソフトのカルチャーは変わった、これで終わり、ということにはなりません。常に、明日がより良くなるために、今日やれることをやり続けないといけない」

 そして、多くの社員がカルチャーの重要性を意識していくなか、新しいカルチャーに息を吹き込むための習慣が意味を持ったと語る。

「例えば、10のinclusive behavior(行動規範)を作りました。同僚とミーティングをしたら、自分が発言する前に聞く。自分の考え方が、いいアイディアの邪魔になるかもしれないということを意識する。もちろん、リーダーが真っ先にそれを体現しないといけません。また、形あるビジュアルで変えていくのも有効です。オフィスビルとオフィスビルの間には、レンディングライブラリというものを置いています。これは、自分が読んだ本を誰かにも読んでほしいというとき、推奨図書を入れる小さな箱です。こういう形で、アイディア交換やシェアリングを促進していきます」

10 Behaviors for Inclusion

 普段、社員が使っている紙のコーヒーカップにも、さまざまなメッセージやスローガンを印刷しておく。あるいは、有名な人の引用句や社員の言葉を載せておく。こうした小さな取り組みが、少しずつ社内を変えていくことになるのだという。

「カルチャー変革は、優秀な人材の獲得のためにも重要です。ダイバーシティという観点からは、さまざまな人材が欲しい。ここに来れば、彼らも向上できるし、自分たちも向上できるということを示さないといけません。とりわけ若い人たちは、ハートのある会社に勤めたいんですね。自分の人生の目的に合致した会社で働きたいと思っている。製品を作ったり、お金儲けをしたりするだけではなく、世の中のために何をしているのか、ということにとても高い意識を持っている世代になっています。だからこそ、何を大事に仕事をしていくのか、というカルチャーがはっきりしていることは大切なんです」

(この原稿は書籍『マイクロソフト 再始動する最強企業』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)