『3か月でトップセールスになる質問型営業最強フレーズ50』『「3つの言葉」だけで売上が伸びる質問型営業』日本で5万部のベストセラー。アジアでの翻訳も好調で、台湾では異例の発売月で4刷を突破。いま、中華圏での営業が熱く、日本発の質問型営業に注目が集まる。今回は、日本での凱旋講演を前に、2日間にわたった『3か月でトップセールスになる質問型営業最強フレーズ50』台湾講演の裏側をレポートする。

商談をスムーズに行うための質問

 前回のセミナー終了後、質問が殺到! ここでは今さら恥ずかしくて聞けないような質問も飛び交い、営業の現場での苦労がうかがえた。その質問に対し、丁寧に一つひとつ解決法を紹介していった。

 今回は、その質問のなかから、すぐに使えるものを紹介していきます。

今さら聞けない営業マンの質問に、<br />トップセールスは、こう答える!<br />セミナー講演後、経営コンサルタントの林 裕峯氏、営業コンサルタントの卓 天仁氏を交えて質疑応答で、質問が殺到!

質問1)
お客様に断られるとき、どうすればいいでしょうか?

「なぜそのように、言うんですか?」と理由を聞くことです。

 その理由によって、解決できることがあります。「そんなところで困っていたのか」などがわかります。

 理由を聞いてあげれば、「YES」に変わることがあります。お客様が「NO」のまま、話を進めても商談は決まりません。ですから、「理由」を聞いてください。

質問2)
自分が尋ねた質問に対し、違う答えが返ってきました。
おそらく、お客様は自分の質問を誤解しているようです。
その場合、どうすればいいでしょうか?

 質問とはまったく異なる答えが返って来た場合、質問をもう一度聞きなおします。

「すみません、先ほどの質問ですけど……」

 と、もう一度、聞き直せばいいのです。

 営業マンという接し方だと、もう一度質問しにくいですよね。でも、「アドバイザー」という心持ちでいれば大丈夫です。相手のお役立ちできているのですから。

 とにかく、「専門のアドバイザー」という立ち位置を持って、話をすることです。

質問3)
お客様が話を聞いてくれません。
こちらに気持ちを向けたいのですが、
どうすればいいでしょうか?

「お忙しそうですね。しっかりと話をさせていただきたいのですが、もし今日がダメならまた今度、お伺いしましょうか?」と言えばいいのです。

 お客様に役立つために話をしに来ているので、「より役立ちたい」という気持ちを持つことが大事です。

質問4)
お客様がイライラしているときに、どうしますか?

「イライラされているみたいですが、なにかあるんですか?」と、私なら尋ねます。

 私は、結構ストレートに聞きます。「なんか嫌がっているみたいですけど……」と。それで、原因が明らかになって、そのとき、具合が悪ければ、帰ればいいわけです。

 そもそも、営業で「話を聞く」と言って会っているわけですから、アポが取れたということは、お客様もまんざらでもないわけです。

質問5)
電話でアプローチするときに、何かコツがありますか?

 今、まさに教えていますけど、「○○会社です。ありがとございます」と、言います。

 この「ありがとう」が大事。最初の3秒で電話のアプローチは決まってしまいます。電話のときは、必ず立ち、「ありがとうございます」と、お辞儀をします。

 電話でも関係の構築はできます。会えないときは、「次、いつ会えるか?」を聞きます。心からオープンで話をし、感謝を伝える。そうすると、今回がだめでも、次回、電話を掛けるときに、相手は覚えてくれています。電話は温かくやさしいものなのです。

質問6)
中小企業の営業の状況も
少子化の時代に入り、だんだん厳しくなりました。
中小企業の営業マンが心がけるものは何ですか?

「商品が他社とそんなに変わらない」「競争が厳しい」――いろいろあると思います。だからこそ、専門のアドバイザーになって、相手の問題を解決するコンサルタントにならなければいけないのです。

 それが安売り合戦を回避し、競合他社と差を付けるポイントです。

 自分に価値を付けること。そこを理解してくれるのがいいお客さんなんです。そういうお客さんを集めていくことです。

質問7)
どうやって自分の営業能力を高めていますか?

 私は、「書く」ということを四六時中、やります。

 かつて、「青木君、文字は何のためにあるか知っているか?」と言われたことがありました。

 私は「伝達の道具ですか?」と答えたのです。

 すると、「バカだな、考える道具だよ。文字というもので人類は発展してきた。自分の人生も文字で発展できる」と言われました。

 これを応用して、自身に質問を投げかけて、それに応えるということを繰り返し訓練してきました。まさに、「振り返り」です。

<参考文献>
世界が注目し始めた日本発の営業スタイル。
質問型営業にアジアが熱い視線を送る理由