博報堂で1000回以上プレゼンして重要案件をつぎつぎ勝ち取ってきた達人が教える、シンプル&簡単なプレゼン・メソッド『博報堂で学んだ負けないプレゼン――3ステップで「刺さる」プレゼンができる!』の著者が、原稿の棒読みにならずに伝わるプレゼンができる「地下鉄演習」法を紹介します。

プレゼンに原稿は必要?
棒読みにならない方法は?

 プレゼンにスピーチ原稿は必要か。
 よく聞かれる質問ですが、私の答えはイエスです。

 パワーポイントなどで作るスライドは、キーワードや図表だけを載せるなど、シンプルに作ることが多いので、話と話のつながりや、紹介したかった事例などを、本番で忘れてしまうことがあります。

 そうしたミスを防ぐためにも、原稿を書くことをおすすめします。

 原稿書きのコツは、プレゼンの場を思い浮かべながら、集中して一気に書くことです。
 一気に書けば、流れや勢いも原稿にこめられます。
 テンションが上がっているときを見計らって、カフェなどの邪魔されない環境で、最初から最後まで一気に書き上げましょう。

 さて、原稿は用意しますが、もちろん、これを棒読みしてはいけません。

 自信と熱意を持って、プレゼンすることが大切なのに、棒読みでは、自信も熱意も相手に伝わらないからです。

 ベテランアナウンサーのように、原稿があっても、それを悟られないようにしゃべれるようにします。

 そのために私がおすすめするのは、「地下鉄演習」です。

 演習だなんておおげさに書いて恐縮ですが、難しいことはありません。

 私は地下鉄に乗っているとき、よくプレゼンの場面を思い浮かべて、スライドの1枚1枚を説明する、一人脳内シミュレーションをやっていました。
 地下鉄という手持無沙汰な空間は、自分が発表者としてプレゼンを進めていく様子を思い浮かべるのに、格好の環境です。

 多くの人は、スライドができた段階で安心してしまいます。
 だからこそ、原稿書き→地下鉄演習をやるだけで、人に差をつけることができるのです。

 「ここは変更した方がいいかも」など気付いたことがあれば、その場でスマホでメモを取って、あとでスライドや原稿を修正するようにしましょう。

 また、地下鉄演習には、スライドやセリフを頭に擦り込み、原稿を読まなくてもすらすら言葉が出てくるようになるという効果もあります。

 地下鉄演習は2回もやればOKです。
 「え、それだけでいいの?」と思うかもしれません。
 そう思う人こそ、ぜひ試してみてください。

 原稿を書いた上で、地下鉄演習(脳内シミュレーション)をすると、原稿を読まなくても自信を持ってプレゼンできるようになります。

 実は私のいた博報堂でも、ここまでやっている人は意外に少ないように思います。
 だからこそ、やる価値があり、あなたにもおすすめしたいのです。

 しゃべりが決してうまくない私は、何百回もプレゼンを重ねて、地下鉄演習にたどり着きました。
 詳しくは、拙著『博報堂で学んだ負けないプレゼン 3ステップで「刺さる」プレゼンができる!』もご覧ください。

須藤 亮(すどう・りょう)
株式会社TOM 代表取締役社長
1980年早稲田大学法学部を卒業、同年博報堂に入社。以来、マーケティング職、ストラテジックプラニング職として35年間現場で、トヨタ自動車、花王、KFC、JT、味の素、全日空、マクドナルド、アステラス製薬など様々な業種の得意先を担当。途中、日本リーバ(現ユニリーバ・ジャパン)にアイスクリームのブランドマネージャーとし2年間出向。2001年からタイのバンコクを皮切りに海外赴任生活に入る。博報堂アジア・ブランディング&ソリューション事務所を立上げ、その後、香港、広州、北京と渡り歩き、博報堂での後半15年は、日本一のトヨタ自動車をクライアントとし、電通との一騎打ちに奔走。2013年に帰国。2015年に退社し、株式会社TOM(トップ・オブ・マインド)を設立。
現在、共同ピーアール株式会社顧問。様々な企業のコンサルティング、地方創生業務などに従事している。