甲子園だけが過酷で異常なのか?
夏休み開催が多い学生の大会

横浜DeNAベイスターズ初代球団社長で、現在はスポーツ庁の参与を務める池田純氏
池田純氏

 池田氏は、オープンな議論が行われることは「基本的には大歓迎」としつつ、高校野球、甲子園だけをことさらに取り上げて「特殊で異常な環境」と揶揄する昨今の風潮への違和感を口にする。

「甲子園は良くも悪くも議論の対象になる大会です。それだけ注目度が高いとも言えますが、甲子園が『熱中症対策の遅れの象徴』といった具合にやり玉に挙げられてしまうことには、少し疑問を感じていますね」

“学生スポーツ”では、スケジュールが組みやすい夏休みに大会が行われることが珍しくない。例えば、29競技32種目で行われる高校生のスポーツの祭典、インターハイ(全国高等学校総合体育大会)も酷暑の東海地方で現在開催中だ(7月26日◯8月20日、三重・愛知・岐阜・静岡・和歌山で開催)。

「プロ野球はナイターで行われていますが、それでも大丈夫か?と心配になるほどの暑さです。高校野球、甲子園に限らず、他のスポーツの大会もこの暑さは同じように危険ですし、試合だけではなく練習にも熱中症のリスクはある。議論の前提として、『甲子園だけが異常』なのではなく、日本の気候が急激に変わってしまったこと、それに対してあらゆる対策をしていかなくてはいけないという認識を持ち、スポーツ界を見渡した上で冷静で総合的な議論と判断が必要だと思います」

ドーム球場で開催される大会は
本当に“甲子園”といえるのか?

 確かに、近年の「ブラック部活問題」など、高校野球を日本の古い体質の象徴として取り上げる声も多く、熱中症対策として挙がっている意見のなかには「旧来の高校野球のイメージ」から大きく脱却する意図が前面に出ているものもある。