当初、Mistletoe(ミスルトウ)ではスタッフが互いに学び合う、教え合うような文化をつくりたいと考えていました。それぞれが探求する者として、互いの持つ知識や経験を持ち寄る組織です。そこで、「皆、学び合おうよ」と呼び掛けてきたのですが、実際にはなかなかうまく機能しませんでした。
また、連載第18回でもお話をしましたが、そもそもスタッフに対しては「会社にいても学べない。課題解決を考えるなら『現場』か『本場』を行き来しなさい」と伝えてきました。
そこで、昨年末に、「Learning Anywhere(ラーニングエニウェア)」という制度をつくりました。何かを学ぶために出張するのであれば、事前の許可は不要ということにしたのです。
ただ、そうはいっても出張となれば費用のことが心配になるでしょう。そこで、「ミスルトウとして自分やメンバーの学びになり、日々に生かせるのであれば、どんどん行ってきてください」として、必要な経費は無制限に認めることにしたのです。
当然、「勝手に遊びに行って使い込みされたらどうするのか」という声も出ましたが、最終的にはその人の成長になるのならいいと決めました。
すると、皆がどんどん会社を飛び出すようになりました。現地のことを勉強して、そのときの話を熱心にレポートにまとめて、共有してくれるようになりました。
「情報共有」と僕が言わずとも、「言いたくて仕方がない」という状況になったのです。