仕事のカテゴリーごとに分析する
そこで、連載第3回でご紹介した「ワークログ」が威力を発揮します。
「ワークログ」とは、毎朝、働き始める前にその日一日のスケジュールを見積もり、終業後に、実際にどのように仕事を進めたかを記録していくものです。そして、一定期間後、その記録を集計・分析することによって、どのような仕事にどれだけの時間を費やしているのか、朝立てた予定がどのようにずれていくのか、本来優先すべき仕事にどのくらいの時間を使えているのかなど、「自分の働き方」を客観的に把握。そして、働き方のクセや問題点などを明確にしたうえで、具体的な改善策を実行。これを繰り返すことによって、確実に「働き方」を変えて、「残業ゼロ」に近づけていくことができるのです。
重要なのは、一定期間後、「ワークログ」を集計・分析することです。そのためには、「ワークログ」をつけるときに、一つひとつのタスクを無秩序に書き込むのではなく、「資料作成」「会議」「外出」などのカテゴリーごとに「項目」を立てたうえで、それに該当する個別タスクを記入する必要があります。そうでなければ、一定期間後、集計・分析することができないからです。
また、「項目」は「大項目」と「小項目」の2階層にすると便利です。たとえば、大項目として「会議」と立て、小項目として「社内会議」「社外会議」などと立てたうえで、「会議・社外会議・A社とPR戦略ミーティング」などと記録しておけば、仕事時間の何割を「会議」に費やしているかを把握したうえで、さらに「社内会議」「社外会議」に何割ずつ使っているか、そしてその内訳までも詳細に把握することができます。
もしも、あまりにも「会議」に時間を費やしていて、なかでも「社内会議」が過剰になっていることがわかれば、その内訳を調べて、「チームの定例会議を短縮できないか?」「単なる報告会議はメンバーに任せようか?」などと具体的な解決策を検討することができます。そのためにも、「大項目」「小項目」の2階層で「項目」を設定しておく必要があるのです。
さて、では、プレイングマネジャーはどのよな「項目」を立てるといいのでしょうか?
はじめて「ワークログ」をつける場合には、「マネジャーとしての仕事(増やしたい仕事)」と「プレイヤーとしての仕事(減らしたい仕事)」が明確になるように「大項目」を設定することをおすすめしています。
たとえば、「資料作成」には、マネジャーとして作成する資料と、プレイヤーとして作成する資料がありますから、「マネジャー資料作成」「プレイヤー資料作成」と「大項目」を設定します。一方、「営業」は、すべてプレイヤーとしての仕事ですから、「プレイヤー営業」だけを「大項目」として設定します。このような要領で下図のように「大項目」を設定。そして、それぞれの「大項目」の主だったタスクを「小項目」に設定していくわけです(これはあくまでも例なので、有効な分析ができるよう、ご自身の仕事内容に適した大項目・小項目を設定してみてください)。