POSCOのBSはなぜ軽いのか

  下図は、2012年2月3日にPOSCOが行った「CEO FORUM」で使われたスライドの1枚です。IFRSでは、従来の貸借対照表に相当する決算書をStatements of Financial Position(財政状態計算書)と呼びます。

「新日鉄住金の誕生」を知るために<br />「POSCO」の決算書を読んでみる

  この3年度の間に、POSCOの連結売上高は44%伸びています。上図の一番右側の数字が同期間の各資産の伸び率ですが、売上と同じ勢いで40%超伸びているのは、Long-term Liabilities(長期負債)だけで、後は軒並み1ケタからせいぜい20%台前半です。Total Assets(総資産)もたった12.9%の伸び率です。必然的に、リーマンショックで悪化したATOが、その後の3年間で一気に改善したことが分かります。

 各々の資産が大きいのか、小さいのかは、売上に対する比率などを計算しながら、国内大手3社や世界最大手アルセロール・ミタルと比較すると見えてくるはずです。