パワーハラスメントが取り沙汰されるようになって久しい。我々の世代で、パワハラを撲滅することはできるだろうか。平成が終わろうとしている今、職場内でのパワハラの連鎖を断ち切る必要がある。しかし、パワハラで「教育」されてきた世代に、連鎖を断ち切ることは可能なのだろうか。パワハラを受けてきた2人のサラリーマンに、赤裸々な話を聞いてみた。(取材・文/フリーライター 武藤弘樹)
報告したもの勝ち?
パワハラ認定の難しさ
近年、強く問題視され始めたパワハラ。厚労省のサイトでは「職場のパワハラ」とは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されている。ざっくりまとめると「上が立場を利用して下につらく当たる行為」と言い換えることができる。
パワハラによって苦痛を被った人が業務を健康な状態で続けられなくなるケースや、最悪自殺にまで追い込まれるケースが問題にされるようになり、“パワハラ”という言葉は一気に世に広まった。多くの企業もこれに合わせてパワハラ問題については敏感になっていった。