中には、指摘から7年が経過した後に反映されたケースもあるためタイミングは分からないが、「時間の問題」ともいえるため、引き続き心配の種であることは間違いない。

「短期」に「多額」の 減価償却を計上し
不動産所得に損失を発生させるスキーム

 現在、高額な役員報酬を得ている会社経営者や医者などは、超過累進税率が適用され、とにかく高い税率(最高55%:所得税45%+住民税10%)で税金を持っていかれている。

 そこで登場するのが減価償却を使った節税スキームだ。具体的には、中古の建物に投資して「短期」に「多額」の 減価償却費を計上し、不動産所得について損失を発生させ、他の給与所得や事業所得などと損益通算して所得全体を圧縮するというものだ。

 そうしたスキームの中でも、ここ数年もっぱらはやっているのが、米国や英国といった海外の中古不動産を投資対象とするもの。なぜか。それは、建物の耐用年数に秘密があるのだ。

 建物の法定耐用年数は耐用年数省令により定められており、中古建物については法定耐用年数に代えて、使用可能期間の年数を見積もる方法も選択できる。その上で、「使用可能期間年数を見積もることが困難」な場合は、「簡便法」という計算方法を用いることができる。

「簡便法」では、法定耐用年数を全て経過した中古建物の場合、「木造又は合成樹脂造」で4年、「レンガ造、石造又はブロック造」で7年、「鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造」 で9年が耐用年数となり、この計算方法が、海外中古建物にも同様に適用される。

 ここがポイントで、海外不動産に関しては、この「簡便法」が適用され、日本の中古不動産と比べて「短期で」減価償却費を計上することができるのだ。