世界標準の教養として、特に欧米で重要視されているのが「ワイン」である。ビジネスや政治において、ワインは単なる飲み物以上の存在となっているのだ。そこで本連載では、『世界のビジネスエリートが身につける 教養としてのワイン』の著者であり、NYクリスティーズでアジア人初のワインスペシャリストとしても活躍した渡辺順子氏に、「教養としてのワイン」の知識を教えてもらう。

ボルドーは「いかり肩」、ブルゴーニュは「なで肩」

 皆さんは、ワインボトルの形の違いに気づいていたでしょうか? ワインボトルの形状は、大きくボルドータイプとブルゴーニュタイプに分けられます。ボルドータイプのボトルは「いかり肩」と呼ばれ、肩の部分がはった形になっています。

 ボルドーワインはタンニンが多く含まれる長期熟成型のため、澱(おり)(タンニンやポリフェノールが結晶化したもの)がたくさん出ます。ワインをグラスに注ぐ際にこの澱が入らないよう、肩の部分に澱がたまる「いかり肩」の形状が好まれたのです。

 一方、ブルゴーニュタイプのボトルは、ボルドーワインに比べて澱や沈殿物が少ないため「なで肩」の形になっています。また、ブルゴーニュでは古くからカーブと呼ばれる地下室にワインを貯蔵していましたが、狭いスペースに無駄なく効率的に保管するためにも、ワインを交互に入れられるこの形状が好まれたようです。

 これらのボトルの形状は、基本的に産地ごとに規定があり、許可されていない形状のボトルで販売することは許されていません。ただし、メドック格付けで1級に輝いたシャトー・オー・ブリオンだけは独自の形状を使用しています。首が長く、なで肩に近いボトルですが、1958年産からこのような形となっています。