一方、都新市場整備部の市沢拓也・物流調整担当課長は週刊ダイヤモンドの取材に「築地では2.5トンのフォークリフトに、荷物を最大限積んで運んでいるわけではない。業界団体からも話を聞いており、豊洲で1.5トンのフォークリフトしか使えなくても、物流効率が落ちるとは考えていない」と、小鍋さんとは真逆の話をする。日々、実際に市場で働いている小鍋さんは「(都の見解は)絶対にありえない。荷物を満載しているフォークリフトはいくらでもある」と反論する。

 平屋の築地と異なり、上下の移動を要する豊洲の建物は、ただでさえ物流効率が下がると言われている。さらに、フォークリフトで運べる重量が制限されれば、何が起きるかは自明である。

現状と乖離する都の取扱量試算
築地のピーク時並みにV字回復?

 最後に、3つ目の問題として、都が国に提出した信じがたい試算をお見せしよう。

「東京都中央卸売市場豊洲市場事業計画書」と呼ばれるもので、都が8月に農林水産省に、豊洲開場の認可を申請するために提出した書類の一部だ。

 この中には、18年10月から23年度までの年度ごとの豊洲市場での水産物、青果、漬物、卵の取扱量と取扱金額の試算が記載されている。図表1はそのデータを19年度からグラフ化したものだ。

 魚の消費の落ち込みに加え、流通大手が卸売市場を通さない独自の物流網を築いてきたため、卸売市場で取り扱う商品は量、金額ともに全国で減少傾向にある。