月100人とコミュニケーションできる人を
人事部に配置すべし

 このように申し上げると、「健康状態の確認だけをやっているわけではないので、1人で100人から80人もの確認をできるわけがない」というリアクションが返ってくる。なにも私は毎日、100人の確認をしなければならないと言っているわけではない。毎日、全員と面談すべきだ言っているわけでもない。

 例えば、1ヵ月で100人の日頃の状況を察知するとしよう。週に25人、たったの「1日5人」だ。書類の受け渡しの際に会話をする、電話の際に少し話をする、すれ違ったときに声をかける、休憩時間に話をするなど、日常のやり取りの中で少し観察をすることは、十分に可能なことだ。気にかかる人へのコミュニケーションの頻度は上げたらいい。例えば、日に一度は声をかけるとする。仮に100人中、5人が気にかかる人だとすれば、前述の「1日5人」に加えて、この気がかりな5人、つまり1日10人に声をかければいい計算だ。

 もし、今の人事部のメンバーは、社員に声をかけるということは難しいと感じるなら、人事部のメンバーの配置が適正かどうか考え直した方がよい。管理事務能力にたけた人よりも、観察力がありコミュニケーション力のある人を人事部に配置することが望ましい。

 これを読んだ人事部所属の読者の方が、「月に100人と対話するなどということはトンデモない」「決してできるはずがない」「そのようなことは人事の仕事ではない」と思われたら、人事部外へ異動配置を願い出ることをお勧めする。きっと、適性がある別の職務があるに違いない。