女性向けのヘルシーフード「富士がんもいっち」が誕生

金沢さんは最初、パンを自分で作るところから考えていたのですが、そこはプロである地元で評判の老舗パン店「小麦畑 松林堂」さんと連携するように提案しました。

このプロジェクトの話を聞き、味の決め手となるソース開発に手をあげてきたのが、地元で人気の創作居酒屋「遊々庵」さんでした。

こうして完成した新商品は、ターゲットである女性を意識し、「富士がんもいっち」と命名されました。その道のプロが力を合わせて生み出した商品はやはり完成度が高く、町の豆腐屋さんが再起をかけて売り出す新商品として申し分のないものになりました。

ただし、新商品の売上の伸びは、発売時点でどれだけ注目を集められるかにかかっています。そこで、地元メディアとターゲット層である女性の方々向けに試食会を開催することにしました。その際、金沢豆腐店さんにはSNSを使って募集の呼びかけをお願いし、私どもでは、マーケティングの仕事なども手がけていきたいといって相談に来られていた、子育て中の母親の皆さんが運営する「NPO法人母力向上委員会」さん(富士宮市)に声をかけることにしました。

これにより、当日は、ターゲット層である女性が30名程集まり、親子ともども「富士がんもいっち」に舌鼓を打つ様子が地元メディアを通じて報道されました。すると、店頭販売開始の当日は、開店前から店頭に行列ができ、商品はあっという間に完売。これがさらに話題を呼び、発売から3ヵ月後、人気テレビ番組「秘密のケンミンSHOW」で紹介されました。結果、県外からもお客さんが来るという、予想外の展開になりました。

「味付けがんも」をブームにするには?ターゲットとコンセプトの大転換