この作品はアニメ化され、2018年7月から9月まで放映された。また。スピンアウトした漫画シリーズも別に進行中だ。

 スピンアウトの第1作は「なかよし」に連載中の『はたらく細菌』(清水茜監修、吉田はるゆき、既刊3巻)、第2作は「月刊少年シリウス」で同時連載している『はたらかない細胞』(清水茜監修、杉本萌、既刊1巻)、そして第3作は「モーニング」で連載中の『はたらく細胞BLACK』(初嘉屋一生、清水茜監修、原田重光原作、既刊2巻)である。

「モーニング」の読者はおとなの男性である。したがって飲酒・喫煙でボロボロの体が舞台だ。細胞たちはこのブラック職場の過酷な労働条件のもとで働いている。「モーニング」のスピンアウト・シリーズの主人公はやはり赤血球だが、少女ではなく、メガネの少年だ。この少年の成長物語でもある。白血球の主人公は日本刀を背負った20代のかっこいいオンナである。

 泥沼のようなブラック職場は、さまざまな外敵が侵入したり、飲酒・喫煙の悪影響が出たりしてひどいありさまである。そしてついに心筋梗塞に襲われ、危機的な状況に追い込まれてしまった。搬送された病院の治療でなんとか回復し、細胞たちは平穏な日々を送っていた。

 ところがある日、とつぜん巨大なチューブに吸い込まれてしまう。気が付くとボロボロの血管の中で、奇妙な細菌がうようよしている。かつてのブラック職場に戻ったかのようだ。巨大なチューブは注射針で、白血球を含む輸血のための採血だったのである。輸血された体はまたまたブラックな職場だった。

『はたらく細胞』『はたらく細胞BLACK』も免疫系が主要な舞台だが、いずれ生殖細胞、感覚細胞、神経細胞も登場してくるのかな。漫画シリーズの大きな鉱脈なのかもしれない。

(ダイヤモンド社論説委員 坪井賢一)