現在までに国際通貨基金(IMF)のクリスティーヌ・ラガルド専務理事を含む多くの人々が、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子の見せ場となるイベントへの出席を見送ったが、これは世界がサウジ政府に送るべき正しいメッセージである。サウジ人記者のジャマル・カショギ氏は、トルコ・イスタンブールにあるサウジ総領事館に入ったのが確認されたのを最後に消息を絶ち、死亡したとされている。10月2日以降、こうした推測のほぼ全てはトルコ政府からの情報が基になっている。同国のレジェプ・タイップ・エルドアン大統領自身、複雑な地政学的課題を抱えている。こうしたことを背景に、米国が中東における長年の重要な同盟国であるサウジとの関係を維持することのリスクが高まっている。トランプ政権のこの問題への対応は一貫性に欠け、混乱している。トランプ氏は、深刻な結果をもたらすという当初の脅しの立場から一変し、商業上の取引の重要性を強調すると、(性的暴行疑惑が生じたものの最高裁判事として承認された)ブレット・カバノー氏を引き合いに出して、サウジが無実だと想定する立場に転じた。議会で適切な対応への支持を維持できたのはマイク・ポンペオ国務長官が上機嫌で皇太子と写真に収まったことに助けられたからではない。
ムニューシン氏の賢明な決断
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