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筆者が購入したM&Sのミルクチョコレート・ティーケーキ。実際に味わってみて、ケーキとビスケットのどちらと見なすかでもめた理由が分かった Photo by Izuru Kato

 安倍晋三首相は、来年10月に消費税率を10%へ引き上げる方針を固めた。これを“援護射撃”するかのように、黒田東彦・日本銀行総裁は「景気に大きな負のインパクトを与えるとは現時点で思っていない」と述べた。食料品等の消費税率を8%に据え置く軽減税率などによって、前回の税率引き上げ時(2014年4月)に比べ、国民の負担増は軽微で済むという。

 この軽減税率について、すでにややこしい議論が噴出している。コンビニの食品は消費税8%だが、客がイートインコーナーで食べるつもりで購入すると、外食扱いで10%になってしまうのだ。

 実は今、出張で英ロンドンにいるが、ここには付加価値税(VAT)の軽減税率に関する長い混乱の歴史がある。例えば、ケーキやプレーンビスケットは生活必需品で税率ゼロ%だが、チョコレートでコーティングしたビスケットはぜいたく菓子として通常税率(現在20%)。英小売り大手のマークス・アンド・スペンサー(M&S)は、その境界線をめぐって、「ミルクチョコレート・ティーケーキ」の税率で税務当局と激しく争った。

 この商品は、やや硬い生地の上に載せたマシュマロをチョコでコーティングしたもの(写真)。当局はこれをぜいたく菓子と判断したが、M&Sは税率ゼロ%のケーキだと主張。13年間の裁判の末、09年にM&Sが勝利した。350万ポンドの還付となったが、訴訟費用は200万ポンドに及んだという。