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長年苦戦してきた豪食品事業からの撤退を決断。M&A拡大の中、ため込んだ膿を出し切る Photo by Yoko Suzuki

 まさに7年越しの決断である。キリンホールディングス(HD)は、低迷が続いていた豪総合飲料子会社、ライオンの飲料事業の売却を決めた。売却先や金額等は今後詰める。

 そもそもキリンの海外事業のほころびは、ライオンの飲料事業のつまずきから始まった。発端は2007年と08年に当時3780億円(負債込み)で豪1位と2位の乳業メーカーを買収したことだった。この買収は当時計画していた、豪清涼飲料トップのコカ・コーラ・アマティルの買収をもって完成するパーツの一部だった。乳業・果汁でシェアを固めて価格決定力を強め、コカ・コーラの販売網を利用し東南アジアにも拡販するというシナリオだった。だが、コカ・コーラの買収が頓挫し、乳業事業は宙に浮いた。

 ライオンは飲料事業で10年度にのれん代388億円を減損処理。その後、赤字こそ出してはいないものの、計画値の下方修正が続き、17年度は売上高1534億円に対して営業利益はわずか54億円。一方酒類事業は、1953億円の売上高で545億円の利益を稼いでおり、飲料事業は同社の“お荷物”となっていた。

 近年では看板の加糖乳飲料商品でシェアを伸ばすなどの健闘もあったものの、豪大手スーパーのPB(プライベートブランド)に乳飲料市場全体の価格決定権を握られており、当初のもくろみは完全に外れていた。