──前任のCEOで現在は経団連会長も務める中西氏は強いリーダーシップで有名です。東原さんは中西氏とはキャラクターが違いますが、どう組織を動かしているのですか。
中西さんはビジョナリーな(明確なビジョンを持つ)リーダーです。私は2014年に社長になって(当時は中西氏がCEOを続投)、まず各事業の現場を理解し、掌握することに注力しました。
「世界で一番になろう」と夢を語るのは経営者の大事な役割ですが、ボトムアップも重要だと考えていたのです。
16年に社長兼CEOになってから方針を出すようになりましたが、いまでもトップダウンとボトムアップのバランスに気を付けています。
そういった考えもあり、16年に組織を簡素化しました。階層構造が複雑で目が行き届きにくかったからです。売上高が2兆円もあった情報・通信システム部門など大きなセグメントを分割して、14のビジネスユニット(BU)をつくり、毎月、私とBU長が議論するようにしました。