縦割り、鈍牛、硬直的…
サイロ型だった日立の人事
かつて日立製作所の人事は事業部の縦割りそのものだった。
例えば、海外の子会社の日本人社員の人事権は、それぞれの出身母体の事業部が握っていた。海外子会社の幹部が、社員に出身母体以外の製品を売らせようとすると日本の事業部が反対する。海外子会社は社員の担当さえ自由に変えられない。これでは経営のスピードが上がるはずもなく、「鈍牛」とやゆされて当然だ。
こうした反省を踏まえ、硬直的なサイロ型の人事制度を壊して統一的なシステムを構築していった。
2012年には世界で働く日立グループ25万人(全社員30万人から工場勤務などの5万人を除く人数)の統合データベースを整備。社員の実績や能力を統一基準で評価する制度も導入した。事業部をまたぐ異動やプロジェクトチームの即時立ち上げが可能になった。