佐山 できて当たり前のことは、他の人がやればいいですからね(笑)。

 それに「経営者は従業員を食べさせてなんぼや」と感じた経験も過去にありました。大学を出て化学メーカーに入社したのは、1976年(昭和51年)、この年は第二次オイルショックのあった年です。前年まで景気も良く、150人以上の新卒社員を採用していましたが、この年は45人と大幅に減らし、大きく景気が落ち込んだ頃です。

 そんな状況だったので、入社して1年半ぐらいして、全社員に「今辞めるといくら」という退職金の通知がありました。リストラがあったんですね。おそらく部署ごとの人数削減目標もあったのだと思います。

スカイマーク再建のキーマン・佐山展生氏「企業が本当に目指すべき日本一とは」多田洋祐・ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長

多田 その結果はどうだったのでしょうか。

佐山 いわゆる「いい人」が何度も面接されて辞めていきました。そのリストラ後、人員削減により業績が上向いた後に、「業績が回復した」というトップのメッセージが出ましたが、心では「何言うてんねん」と。「経営者は従業員を食べさせてなんぼや」、人を減らして業績が回復しましたというメッセージ、「それは違うやろ」という思いがあった。それが24歳の頃です。

多田 その思いを、まさにスカイマーク再建のときに体現されたのですね。

佐山 経営者は従業員を一番大切にすべきだと、そのときに確信しましたからね。

「べったり行こう」と思い
就任当時から送り続けたメッセージ

多田 では、実際に代表の立場になって、そのイメージは叶ったのでしょうか。

佐山 これまでも投資先の社外取締役といった役職で関わったことはありました。その際は月に何度か足を運ぶ程度の関わり方でしたが、スカイマークは、インテグラルが50.1%の筆頭株主である一方、ANAさん他の株主もおられます。

 これは時々訪れるのではなく、べったり行こうと思い、初めて事業会社の経営にしっかりと関与したんです。スカイマークの経営に関与した3年前の2015年9月29日から、私が経営について学んでいることは、これまでの何十年の経験に何倍も勝ります。