1899年に創業し、胃腸薬、目薬、外皮用薬などで有名なロート製薬だが、2000年以降はビューティー関連商品、アグリ事業、レストランなどの食ビジネス、再生医療事業にも挑戦。すでに売上高の6割以上がスキンケア関連品、また4割近くを海外売上が占めるまでになった。大手企業ではいち早く副業解禁に踏み切ったことでも話題になり、従来の枠を超えた「統合ヘルス&ビューティーケア」企業への進化を掲げるロート製薬では「働き方改革」をどのように捉えるのか。代表取締役会長兼CEOの山田邦雄氏に聞いた。(聞き手/多田洋祐・ビズリーチ取締役・キャリアカンパニー長)

「人と違うことを、
他より早くやる」

多田 お祖父様、お父様と事業を紡いでこられる過程で、ロート製薬における信念や哲学も引き継がれていったのでしょうか。

山田 2代目である僕の祖父はなかなか「変わった人」で、とにかくユニークな会社であり続け、「人と違うことをやる」という独自路線を貫くのは見聞きもしていました。その発想は家訓というほどのものではないですが、伝統と呼べるかもしれません。

山田邦雄・ロート製薬代表取締役会長兼CEO山田邦雄・ロート製薬代表取締役会長兼CEO

多田 山田会長が社長に就任されるまでにも、新産業や海外の開拓といった、新規性のあることに取り組んでいらっしゃいますね。

山田 他より早く動いてきた感覚はありますね。例えば海外も僕らが中国やベトナムへ出た頃、日本企業は誰も消費財マーケットとして認識していなかったのだけれど、将来的には面白くなると感じていました。だから、「突拍子もない」ということでもないのですが、ただ、他よりは早かったのかもしれません。

多田 「他より早く」というお話に続いて、今回は「働き方改革」の観点でもロート製薬様のお取り組みについてうかがいたいです。まだ世の中で「働き方改革」というワードすら叫ばれていない中、1995年という早い段階で席に区切りがないワンフロアの「オープンオフィス」を導入され、昨今では多くの大企業に先駆けて「副業解禁」も打ち出されていますね。

山田 僕は他の会社で働いたことがないので、「会社」はロート製薬しか知らないんです。でも、ずっと「ちょっと変やな」みたいなのがあって。オープンオフィスを決めたのは、部長がフロアの奥のほうに座って、「おーい、何とか君」と呼びつけているのを見て「あんまり楽しくないな」と。