足元で金融市場が不安定な展開となっていることを受けて、一部では米連邦準備制度理事会(FRB)に対し利上げ中断を求める声が出ている。20日には株や社債への売りが加速したものの、FRBが来月、利上げ見送りを決める公算は小さいもようだ。FRB当局者はここ数日、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシス・ポイント(bp)の追加利上げに踏み切る考えを示唆している。だが最近の相場急落で、来年以降の金利見通しを巡っては不透明感が高まっている。9月公表のFRB当局者の金利見通しでは、来年の利上げ回数について2回、3回、4回の3つの意見がほぼ拮抗(きっこう)している。12月に公表される最新の見通しでは、市場の混乱が続く、または当局者の来年の成長・インフレ見通しが後退すれば、来年の利上げ回数予想を引き下げる当局者が出てくるかもしれない。