ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のやり方は、敵の弱点を探った上で揺さぶりをかけ、相手が反撃するかどうか見ることだ。クリミア沖のケルチ海峡でプーチン氏は再びその手法に出ているように見える。ロシア軍が25日にウクライナ海軍の船舶3隻を拿捕(だほ)し、乗組員24人を拘束したのだ。ロシアは3隻について、同国海域で危険な動きをしていたため拿捕したと説明しているが、それは疑わしい。ウクライナ船はアゾフ海の港にアクセスするためにケルチ海峡を使っているが、ここ数カ月はロシア側の嫌がらせが増えていた。プーチン氏の判断では、来年3月に選挙を控えるウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領を困惑させるのに今こそ行動をエスカレートさせる時期なのだろう。プーチン氏の視界には、国内で圧力を受けている西側同盟のリーダーも入っているのかもしれない。アンゲラ・メルケル独首相は党首辞任に追い込まれ、エマニュエル・マクロン仏大統領は燃料税引き上げを巡るデモに直面、テリーザ・メイ英首相は欧州連合(EU)離脱案で合意を形成しあぐね、ドナルド・トランプ米大統領は中間選挙で敗北を喫した。
ウクライナでトランプ氏を試すロシア
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