とはいえ東京ドーム(収容人数:約5万5000人)、さいたまスーパーアリーナ(約3万7000人)、日本武道館(約1万4000人)、両国国技館(約1万1000人)などと比べると、収容人数は約4000人と、会場の規模としてはかなりコンパクトだといえる。

 DDTの夏のビッグマッチ「両国ピーターパン」は毎年8月、国技館で開催するのが恒例だったが、2018年・2019年分共に予約を取ることができなかった。かろうじて今年は時期をずらした10月に国技館を借りることができ、秋にビッグマッチを開催したのだった。

 国技館に限らず、2020年に開催される東京五輪の影響で、前出のようなスポーツ興行・音楽イベントで使われる会場は、近年とても取りづらくなっている。続々と改修工事に入っていたり、すでに押さえられたりしているためだ。

「2019年夏に国技館を借りることができず、たまたま空いていた大田区総合体育館を押さえることにしました。でも、1万人以上収容可能な会場から、いきなり4000人収容の会場になると、規模が縮小したというネガティブなイメージを与えかねません。

 そう見せないために、思いきって無料にしようと決めました。というのも、大田区総合体育館は区の施設でもあって、使用料が他の施設と比べて若干安く、施工もリーズナブルに済むんです。そもそも収容人数が大幅に違うので、広告費を数百万円投じて有料にしたとしても、残る利益はそれほど多くない。

 一方で、『プロレスのビッグマッチを完全無料』という取り組みは、それ自体がニュースになって話題を集めます。広告費をかけなくても、無料であることがフックとなって、広告のような形で広まっていきます。実際、10月に本件を発表したところ、多くのメディアでニュース化され、DDTの認知度を高める結果になったと考えています」(高木氏、以下同)

「無料」は
新規ファンの入口になる

 高木氏はプロレスの試合を無料で見せることに、まったく抵抗はないという。そう考えるようになった理由はいくつかあるが、毎年1月3日に後楽園ホール(立ち見を含まない座席数:約1400)で行う大会も関係している。来年1月3日開催分は「全席2000円」で実施する。