そこで多くの生保は、認可外である上、金融庁の監視の目が届きにくいことをこれ幸いに、付加保険料(予定維持費など)を契約期間の後半に厚めに乗せるといった、 “過度の調整”を行ってきた。そのぶん、契約期間前半の解約返戻金の返戻率が高くなるという仕組みだ。

 だが、ヒアリングを通じて「合理性、妥当性を欠く」(金融庁職員)付加保険料の事例がつまびらかとなり、11月中旬以降、生保10社超を呼び出して適正化を強く迫っているというわけだ。

 一方で、金融庁が適正化の圧力を強め、多くの生保が早期に販売を取り止めざるを得なくなった場合は、付加保険料の過度の調整をしていない日生など一部の生保のみが、年度末の需要期に大手を振って販売できるという状況をつくってしまうことになる。

 そのため、「特定の会社だけを利するような見直し策を、行政が進めるのはいかがなものか」という怨嗟の声が一部の生保から上がっている。だが、金融庁は耳を貸す素振りすら見せない。

 むしろ、1日でも早く販売競争に参戦したいがために、付加保険料に傾斜をかけるという「安易」(金融庁幹部)な商品設計で認可をとり、結果的に適正化を迫られるようなスキをつくってしまった浅はかさについて、自ら顧みるべきというスタンスにみえる。

生保が動揺する「実質利回り」

 その節税保険よりも、足元で生保各社に動揺が広がっているのが、外貨建て保険だ。

「募集補助資料の中で、実質的な利回りをわかりやすく提示し、顧客への情報提供を充実させるといった方向性も考えられるのではないか」

 12月3日、金融庁幹部は居並ぶ生保の役員たちにそう問いかけてみせた。発言自体は監督当局による提案のようにも聞こえるが、実態は「言った通りに見直せ」という“指導”にほかならない。

 そもそも金融庁は、今年9月に公表した行政方針の中で、投資信託などと比べて貯蓄性保険(外貨建て保険など)は、運用コストや実質的な利回りが分かりにくいと指摘している。

 さらに、パンフレットなどに載せている積立利率(手数料など生保側の契約の初期費用を差し引いた積立金の保証利回り)が、あたかも実質的な利回りであるかのように“優良誤認”させかねないケースがあるとして、改善の必要性を訴えていた。