私自身、体が持ちこたえられるかどうか確信はありませんでしたが、目標は明確でした。日本に本格的な特殊部隊を創設することです。これは何が何でもやらなくてはならない。その使命感は人一倍強かったと自負しています。

 また、グリーンベレーQコース入校に際して、事前にその準備のためのブラッシュアップとして、自衛隊の空挺レンジャーの地上訓練に参加していました。そのときの感触では、「まだまだ、いけるな!」と自信を持ったので、私はQコースの訓練を脱落することなどまったく考えていませんでした。

 それどころか、「Qコースだけでは特殊部隊はつくれない。全部体験しなくては」と考えているほどだったのです。

 グリーンベレーQコースは教育と選抜を兼ねていて、約6ヵ月間にわたって実施されました。最初の2週間は基礎的能力を評価される期間で、武装のまま泳いだり潜ったりする着装水泳やパラシュート降下、また約30キロのバックパックを背負って長距離を早足で歩くラックサックマーチなど、体力を試すトレーニングが続きました。

崖を転がり降り
獣のように両手両足で駆け上がる

 その中でもメインとなるのが、コンパス(方位磁針)を使って指定された通過ポイントをたどって行くコンパス・ナビゲーション「スター」です。歩いた軌跡を地図上で見ると星形になることから、この名がついたと言います。実施されるのは夜間。フィールドとなる広大な原野はおもに森林ですが、大きな池や低湿地、さらにはイバラが繁茂する低丘陵地があります。

 重いバックパックを背負って、そのフィールド内にある指定された通過ポイントを指定時間内にすべてクリアするのがミッションです。ナビゲーション能力はもちろんなのですが、最後は全力で走らなければ間に合わないほど、体力を使うコース。グリーンベレーを目指して集った若い優秀な兵士でも、1回で合格する確率は50%程度という難関です。