極度の緊張状態にあっても動じないためには、あくまで「楽観主義」で、かつ状況を「ゲームとして捉える」のが肝要と、日本の「特殊部隊」生みの親として陸上自衛官時代に極限の緊張状況を体験した、武道家の荒谷卓氏は説く。荒谷氏の新著『自分を強くする動じない力』の中から、緊張を克服し、「動じない強い自分」をつくるための方法を伝授する。
「レジリエンス」の高い人は
緊張にも動じることはない
心理学に「レジリエンス」という用語があります。
これは、精神的な回復力、抵抗力、復元力などという意味です。
極限の緊張状態では、このレジリエンスの高い人が、困難を乗り越えてミッションを遂行していきます。
一般的には、楽観主義の人はこのレジリエンスが高い傾向にあります。強い緊張が起こっても、動じることなく「まあ、どうにかなるだろう」と受け入れることができます。
だから、同じ結果を予想しながら、ある人はおびえるし、ある人は「仕方がない」と考える。
とはいえ、ここで言う楽観主義は決して「必ずうまくいくから」ではなく、「うまくいかなくても、どうにかなる」と思えることです。“緊張への抵抗力”があり、「動じない力」を身につけているタイプだと言えます。