年末に向けて、1年の振り返りを行うビジネスパーソンも少なくないでしょう。そうした中、今後について不安に感じ、自身のキャリアプランについて悩む若手社員も多くいます。「管理職養成講座」第25回は、部下から受けたキャリアに関する相談の返答を間違えた課長の事例を紹介します。(MICA COCORO代表 産業カウンセラー 宮本実果)
将来に対する不安から
キャリア相談をしてきた部下
大手企業に勤めるSさん(男性・47歳)は、人事課長になって1年が経過しました。これまで通り真面目に仕事を続けていれば、昇進・昇格が待っているはずです。
しかし、労働人口が減少し続ける状況で、Sさんの会社も人材不足や人材の流出は、他人ごとではない状況に立たされています。さらに追い打ちをかけるように、人生100年時代といわれ、いつまで働き続けるべきなのか、中堅社員からは将来のキャリアが不安だという声が後を絶たない状況です。
そんな会社の人事課長であるS課長は日々の業務を真面目にこなし、上司から信頼されています。部下は6人おり、半数は中途のキャリア採用者です。ある日、新卒で入社し11年目の部下Aさん(女性・33歳)から、今後のキャリア形成に関する相談を受けました。しかしAさんは、S課長の回答にモヤモヤしたまま過ごしています。
いったいどんな会話だったのでしょうか、その時の会話をご覧ください。