(2)イノベーション創出が鍵
我慢の将来投資

土本匡孝記者(製薬担当) 確かに、米中経済戦争の悪影響など国内企業の先行きを懸念している経営者が多いことは事実です。

 けれど、耐え忍びながらも、M&Aの実施など将来投資を進めることで好機に備える日本企業も少なくないのではないでしょうか。

浅島D なるほど。どんな事例からそう思ったの?

 

土本記者 19年の年明けにも、武田薬品工業によるアイルランドのバイオ医薬大手、シャイアーの買収が完了する予定です。6.8兆円を投じたこの買収によって、武田は世界10指に入るメガファーマ(巨大製薬会社)となります。

 医療財政の逼迫から、薬価(医療用医薬品の公定価格)抑制への圧力が強い日本と欧州。グローバルな国内製薬会社が成長戦略を描くためには、世界最大の米国市場に打って出るしかない。武田が米国販路に強いシャイアーを買収したのはそのためです。

 もっとも、販路や開発ノウハウに加えて、革新的な新薬を市場に投入し続けられる「イノベーション創出」が武田に求められていることは言うまでもありません。

(3)消費増税ショックは回避
デフレ心理は心配

浅島D いよいよ19年10月に消費税率が8%から10%へ引き上げられる。かつての増税時に、省エネ家電の購入を促す「家電エコポイント制度」を実施したけど結果は需要を先食いしただけで、むしろ電機メーカーの体力を弱体化させたとの批判が多かった。でも今回も、政府は住宅ローン減税、自動車減税、プレミアム付き商品券の発行など、またバラマキ政策を実施することになりそうだね。

 価格変動にシビアな業界への影響はどうなるとみている?