皮肉に聞こえる
日産のガバナンス

 今年6月の株主総会でも「ゴーンさんは、やはり“日産の顔”なんだから完成車検査不正問題の会見に出てきてほしい」との株主からの声にも、「西川さんが社長なのだから出ない」とそっけなかった。

 その西川社長による完成車検査不正会見も、昨秋来4度目となったが、9月、12月の会見は西川社長でなく、担当役員による謝罪会見だった。

 昨年秋にこの完成車検査不正が露呈したのも内部告発からとされており、コンプライアンスの不徹底、ガバナンスが機能していないのは、“塩路天皇”以来の「根強い社内政治」が日産の土壌となっているからだろうか。

 あるいはゴーン体制が長く続き「コスト」を前面に打ち出しすぎる弊害が現場で鬱積しているのか、ということになる。

 日産のHPには、同社のガバナンスについてこう記している。

「コーポレートガバナンスを充実させることは、日産の経営に関する最重要課題の一つです。そのために最も重要なのは、経営陣の責任を明確にすることであり、日産では経営の透明性や機動性を向上し責任体制を明確にすることです。経営陣は『持続可能な企業であるためには、高い透明性と失敗に学ぶプロセスこそが何より重要である』というトップのメッセージを共有して、すべてのステークホルダーに対して明確な経営目標や経営方針を公表し、その達成状況を速やかに高い透明性を持って開示しています」と。

 やや皮肉に聞こえるのは筆者だけではなかろう。

(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)