それに対して、『日本のマネーストックの規模が小さいという根拠はどこにあるのか? 中国の場合、すでに世界一。であれば元がもっと安くならないといけないのに、日本が人民元切り上げを煽るのはいかがなものか』というリツイートがありました。
また『大不況の始まりに過ぎないですよ。産業空洞化よりも、日本国内の需要が減る一方ですから、国内だけでは活路がありません。中小企業も近年、積極的に海外進出を図っていますが、なかなかスムーズに行かないのが実情です』『日本はもっと起業しやすい環境を作ってほしい』『日本は保守的過ぎる。第二の開国が必要だ』『日本は製造業の空洞化に加え、金融方面が弱すぎることも問題だ』などと厳しい指摘が続きます。
竹中さんのフォロワー数は約2万2000人で、リツイート数もそれほど多くはありませんが、芸能人などのフォロワーとは明らかに属性が違って、日本の政治経済に対するそれなりに突っ込んだコメントが見られるのが特徴のようです」。
中国では多数の原発建設計画が進行中のため!?
映画監督、岩井俊二さんの明確な「反原発」姿勢が人気
――竹中さんの現政権への批判的な姿勢や新自由主義的な主張が関心を呼んでいるのかもしれません。こうしたやりとりがウェイボー上でどこまで精緻な議論として高まっていくのかは、言葉の壁もあるため大いに疑問ですが、中国ではもともとブログ文化も盛んですから、ウェイボー上での出会いをきっかけに、ブログに論争の場を誘導していくというのが作法となっているようですね。さて、文化人として唯一ランキングに入っているのが、映画監督の岩井俊二さんです。
「岩井俊二さんはひとことでいえば、『原発は断固即時なくなってしまえ派』です。これに対する中国人のリツイートには賛意の表明があふれています。たとえばこんな感じです。
『よく言った!』『何かあってでは遅い。私もあなたに賛成です』『原発は本当に危ない。国家の謀略だ』『原発の存在は不定時爆弾みたいなもの。怖すぎる』『残念ながら人間はすぐ忘れてしまう。チェルノブイリの昨日はきっと福島の明日になるだろう』『去年の今頃も、同じ意見でしたか?』。
仙台出身の岩井俊二さんは、東日本大震災に関するドキュメンタリー『friends after 3.11』を撮ったことで、今や国際的にも日本を代表する反原発文化人として知られるようになっています。中国では今後原発を大量に建設する計画があり、安全基準をめぐって懸念の声が上がっているといいますから、岩井さんの明快な姿勢が中国のウェイボーユーザーから評価され、注目を集めたことが考えられますね」。