世界経済のデータが軟調なこともあり、投資家は企業の業績見通しに目を凝らして注目している。新興国市場と先進国市場の経済指標が概ね予想を下回っている。そのため両市場をカバーするシティグループのエコノミック・サプライズ指数は昨年6月以来の最低水準近辺に低下している。同指数がマイナス値を示していることは、全体として経済データが予想を下回っていることを意味する。中国や欧州の軟調な経済指標、米製造業景気指数の急低下なども投資家を動揺させる要因となってきた。先週は世界銀行が2019年と2020年の世界経済の成長見通しを引き下げた。そうした一連の悲観的な報告もあり、世界経済の低迷によって米国の財とサービスに対する需要が落ち込むのではないかという懸念が強まっている。米アップルが今月2日に四半期売上高見通しを引き下げたことは、投資家の記憶に新しい。背景には中国でのiPhone(アイフォーン)の販売台数減少があった。ハイテク、工業、小売業界の企業も同じような見通し悪化を示してきた。