ドナルド・トランプ米大統領に対する「抵抗」戦略は、民主党にとって悲惨な結果となっている。民主党は、メキシコとの国境の壁の建設予算をトランプ氏に与えることを拒否したが、それ以外のほとんどすべての案件、特に税制、医療保険制度、環境問題では失点を重ねた。大統領との妥協に全面拒否を貫いたため、民主党は共和党の術中にはまった。トランプ氏が選挙で勝利したことへの怒りで冷静さを失ったのだ。共和党がホワイトハウスと議会の支配権を握っていた過去2年間、共和党に求められた唯一の行動は、団結を保つことだった。そして、共和党はその通りに行動した。税制改革は、民主党にとってとりわけ大きな失態だった。民主党の敗北は、両党が想定していたあらゆる可能性を上回るほど圧倒的なものだった。民主党は上院では、超党派の税制改革法案の作成を求めた。しかし、その際に民主党は、過半数ぎりぎりの51票で法案を可決できる「予算調整措置(リコンシリエーション)」を利用しないよう共和党に求めた。当時共和党は、上院で52議席を有し、支配権を確保していた。
【寄稿】民主党の反トランプ熱、マイナス面も
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