──カサノバさんが目指すマクドナルドの理想像とは、どんなものなのでしょうか。

カサノバ マクドナルドは「ハッピープレイス」でなければなりません。お客さまが常に「おいしい」「食べたい」と思ってもらえる場でありたい。また従業員には、「マクドナルドで働くことは楽しい」「人材に投資されている」と感じてほしい。もちろん、企業としての責任もあります。例えば子供の栄養や環境の問題。私の理想は、日本の社会に還元していく企業であり続けることです。

 20年まで全店売上高の成長率は年平均5%以上、経常(営業)利益の成長率は年平均10%以上を計画しています。

──カサノバさんにとって、マクドナルドが「ハッピープレイス」であると感じた体験はどんなものなんですか。

カサノバ たくさんあります。私が子どものころに住んでいたのはカナダの小さい町で、マクドナルドには車で1時間かけて行っていました。私はビッグマックを頼みたかったのですが、いつも父に「お前はまだ小さいからダメだ」と言われていたんです。でも10歳くらいになったある日、「頼んでいい」と言われ、父とビッグマックを食べたとき、大人になった気がしました。

 高校時代に競泳の選手になりましたが、練習の後はいつもチームの仲間とマクドナルドに行っていました。就職するとき、本当に好きで入社したいと思ったのはマクドナルドだけでした。今も働いているのは、ここで働く人たちが好きだからです。

リーダーは育成するが
私にはまだ多くの仕事が残っている

──言葉や文化の違いの壁を感じることはないのでしょうか。

カサノバ 私は、さまざまな国のマクドナルドで働きましたが、それは常にあります。大切なのは多様な意見を、多様なチャンネルを通して聞くこと。そして現場に行くこと。オフィスに座っているだけでは限界があります。私は現場が好きで、マクドナルドの店舗でスタッフに多くのことを質問します。あまりに質問が多いので「大変」と言われますが(笑)。気になったことは何でも聞くようにしています。

──後継者については、どう考えていますか。

カサノバ これまで多くの仕事をしましたが、私にはまだまだ多くの仕事が残っています。ハッピーですが、満足していない。今の優先課題は、ビジネスの成長と人材育成を継続すること。経営陣をコーチングし、明日のリーダーも育成することも私の責任だと考えています。